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TwitterやFacebookではたくさんの動画がシェアされています。多くの動画はSNSからそのまま見られるので、動画を視聴するために別のサイトへ行く必要がありません。自社サイトを持たず、SNSにのみ配信する動画を「分散型動画メディア」といいます。
分散型動画メディアでの動画配信は新しいスタイルですが、ユーザーに受け入れられてどんどん拡大しています。今回は分散型動画メディアが注目される理由やメリット・デメリットをご紹介します。

【目次】
1. 分散型動画メディアの特徴と注目される理由
2. 分散型動画メディアのメリット・デメリット
3. 分散型動画メディアの主な事例
4. 分散型動画メディアの効果的な活用を

分散型動画メディアの特徴と注目される理由

分散型動画メディアとは、主にSNSで拡散され、SNS上でそのまま視聴できる動画です。なぜ分散型動画メディアが注目されているのでしょうか。

●分散型動画メディアの特徴

大きな特徴は、情報の発信元が自社サイトやオウンドメディアを持っていないということです。そのため、自社のコンテンツを集めてWebサイトなどにストックしておく必要がありません。

分散型動画メディアはSNSで直接コンテンツを配信します。SNSにはすでに多くのユーザーが集まっており、効率的な配信が可能です。自社の公式サイトやランディングページに誘導しないので、ユーザーは別のサイトに移動する手間をかけることなく、手軽に動画を見ることができます。

分散型動画メディアの多くは、LINE、Twitter、Facebook、Instagramなど、複数のSNSで動画を配信しています。そのため、より多くの、異なった層のユーザーに動画を届けることが可能です。

●分散型動画メディアが注目される理由

・SNS利用者の増加
スマホの普及によって、PCよりもスマホからWebコンテンツを見る人が多くなりました。また、コンテンツにはテキストや画像だけでなく、動画が欠かせない存在になっています。動画はユーザーに負担をかけずに多くの情報を伝えられるからです。

スマホの普及でSNSの利用者も増えています。SNSには世界中から多数のユーザーが集まり、数えきれないほどのコンテンツがシェアされています。
ユーザーは、SNSのリンクから配信元に動画をわざわざ見にいくよりも、SNS上でそのまま視聴できる動画を好みます。SNS自体もタイムライン上でスムーズに動画を再生し、レスポンスできるようになりました。さらに360度動画や4K配信、ライブ配信にも対応するなど、機能がさらに進化しています。
このように、分散型動画メディアが注目される背景には、スマホとSNSの世界的な広がりがあります。

・バズコンテンツ
SNSでは気に入ったコンテンツがシェアされて拡散します。コンテンツが連鎖的に大規模に拡散された状態を「コンテンツがバズる」といいます。バズるようなコンテンツ(バズコンテンツ)が作成できれば、自社サイトが検索結果の上位に表示されるよりも多くのユーザーにコンテンツを届けられる可能性があります。そこからSNSでバズらせて自社のWebサイトに集客する「バイラルメディア」という手法が流行しました。分散型動画メディアはさらに一歩進んで、自社サイトへ集客することなくSNSでそのままコンテンツを配信するものです。コンテンツがバズれば、バズった分だけ情報発信元の認知度、注目度がアップします。

分散型動画メディアのメリット・デメリット

分散型動画メディアにはいくつかのメリットとデメリットがあります。作成する前に把握しておきましょう。

●分散型動画メディアのメリット

分散型動画メディアには、大きなメリットが3つあります。

1つ目は、自社サイトやオウンドメディアが必要ないので、サイトを制作・運営するコストがかからないことです。サイト用のサーバ代やエンジニアの人件費もかかりません。

2つ目は、多くのユーザーがシェアすることで更新を拡散してくれることです。従来の自社サイトやオウンドメディアでは、ユーザーが訪問してくれるか、「記事を更新しました!」とユーザーに働きかけないと、なかなか更新に気づいてもらえません。

3つ目は、集客のために過剰なSEO対策を行う必要がないので、検索エンジンのアルゴリズム変更による影響を受けにくいことです。ユーザーを自社サイトに誘導する必要がないので刺激的なタイトルなども不要になり、コンテンツ作りだけにリソースをつぎ込むことができます。

●分散型動画メディアのデメリット

分散型動画メディアには、主に4つのデメリットがあります。

1つ目は、複数のSNSを使い分けるため、コンテンツを各SNSの仕様やユーザー層に合わせて調整する必要があることです。Twitterなら140文字の制限に合わせる、Facebookにはストーリーをつける、InstagramではたくさんのハッシュタグというようにSNSによって好まれるスタイルが異なるので、SNSを熟知したスタッフや作業時間が必要です。

2つ目は、SNSに合わせてコンテンツを調整することで、統一したイメージの形成(ブランディング)が難しくなることです。コンテンツはSNSごとにバラバラに消費されるため、SNSごとに異なる印象をユーザーに与えてしまうおそれがあります。

3つ目は、デリケートなテーマや拡散しにくい話題はバズりにくいので、集客が難しいということです。タイムラインは常に流れていて後からコンテンツを見返すこともほとんどないため、検索エンジンからの流入は期待できません。

4つ目は、分散型動画メディアはマネタイズの方法がしっかりと確立できていないということです。自社サイトであれば、PV(ページビュー)を基に広告収入を得たり、オンラインショップを開設したりしてマネタイズできます。

分散型動画メディアの主な事例

ここでは、分散型動画メディアの代表的な事例を3つ取り上げ、それぞれの特徴をご紹介します。

●Now This News

https://goo.gl/1QJpz5

いち早く分散型メディアによるコンテンツ配信を始めたアメリカのニュース動画サイトです。ホームページは主にウェルカムメッセージやSNSアカウントへのリンクだけで構成されており、コンテンツはすべてSNSで配信されています。
1日に数十本のニュース動画がTwitter、Facebook、Snapchat、Instagram、YouTubeなどさまざまなSNSで配信されていて、それぞれのプラットフォームに最適化されています。

●KALOS

「DELISH KITCHEN」を運営しているエブリーが運営する分散型動画メディアです。若い女性向けのヘアメイク、ネイル、ファッションなどのライフスタイル動画を配信しています。若い女性がターゲットなだけあって、Instagramで視聴するユーザーが多くなっています。

●kurashiru (クラシル)


https://goo.gl/ILW1Gg

テレビCMでも有名な大手レシピ動画メディアです。1分程度の短いレシピ動画を1日数十本制作し続けたことで、2017年9月には世界一となる約1万本のレシピ動画数を記録しました。
クラシルは自社サイトも充実していて、過去の動画をまとめて視聴できます。Android版やiPhone版のモバイルアプリも利用者は多く、分散型動画メディアと従来のオウンドメディアの両方をうまく使っているメディアです。

分散型動画メディアの効果的な活用を

分散型動画メディアは、スマホ時代を象徴する動画配信の手法です。マネタイズの仕組みもまだ不十分で、発展途上ではありますが、スマホ・SNSの進化とともに、分散型動画メディアもこれからさらに機能が拡充し、発展していくことでしょう。
企業のマーケティング担当者の方は、自社サイトやオウンドメディアを充実させるとともに、分散型動画メディアの制作や活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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