Pocket

「VR」とは、「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」が正式名称で、日本語では「仮想現実」と訳されます。「ヘッドマウントディスプレイ」(HDM)と呼ばれる専用のヘッドセットを着用することで、仮想空間に没入できるのが特徴です。
「VR」と聞くと、ゲームやエンタメ業界での使用をイメージする人も多いと思いますが、ほかにも旅行や不動産、自動車など幅広い業界に導入され、マーケティングに活用されています。
今回は、VRをマーケティングに活用している業界の事例をご紹介します。

【目次】
1. 旅行:OKINAWA 360° -VR SEA TOUR-(沖縄)
2. 不動産:フロール新川崎 モデルルーム
3. ファッション:The Topshop Virtual Reality Experience AW14
4. 自動車:The Volvo XC90: A Swedish Moment
5. デジタル・モバイル:Samsung VR Presents:「The Night Before」
6. 進化するVR、2025年には800億ドル産業へ

旅行:OKINAWA 360° -VR SEA TOUR-(沖縄)


ANA Global Channel

沖縄県とANAの共同プロジェクトである「オキナワーズ」のキャンペーンとして、2017年3月に公開されました。
沖縄の海で撮影された360度VR動画で、透き通る海に潜ったような感覚を味わいながら、色鮮やかな熱帯魚、マンタ、ウミガメなどが悠然と泳ぐ姿と出合えます。また、後半では、ドローンで撮影された美しいビーチの様子が画面いっぱいに広がります。

旅行業界では、VRを活用したマーケティングが活発に行われています。あらかじめ観光スポットや宿泊施設の様子などをVRで下見できるため、旅行へ行きたい顧客の気持ちを高めたり、旅行先選びに迷っている人の決断を促すのに役立ちます。

一方、「旅行に行きたいけど、行く時間もお金もない」という人のために、自宅にいながらにして世界旅行が楽しめるという触れ込みの「VR旅行」サービスを提供する会社も出てきました。VRを利用した疑似旅行体験は進化し続けており、これからもさまざまなサービスが登場しそうです。

不動産:フロール新川崎 モデルルーム


神奈川県住宅供給公社

神奈川県、横浜市、川崎市が出資して設立された「神奈川県住宅供給公社」が2017年1月に公開した動画です。実物の物件に入ってすべての部屋を内見している感覚を疑似体験できます。
動画に登場するのは、玄関、リビング、キッチン、寝室など3LDKの新築賃貸で、子育て中の夫婦にピッタリの物件です。360度VR動画のため、画面を上下左右に動かせば天井や床の様子がわかります。疑似内見して気に入った人だけ実際のモデルルームに足を運ぶようにすれば、マンション選びの手間が大幅に削減できるでしょう。

VR動画と不動産業界の相性は良く、疑似内見システムが積極的に導入されています。
VR動画なら顧客は現地のモデルルームまで行かなくても物件の様子がわかるため、とても便利です。海外在住者にとっても大きなメリットになるでしょう。入居後のギャップやトラブルについても減少が期待できます。
また、顧客だけでなく、内見に同行するスタッフの人件費削減にもつながります。さらに、入居者がいる場合、通常は内見できませんが、VRであればいつでも室内の確認ができます。そのため、入居者の退去後すぐに入居することも可能になり、空き部屋が生じる期間の削減に役立てられるでしょう。

ファッション:The Topshop Virtual Reality Experience AW14


TOPSHOP

イギリス発のファッションチェーン「TOPSHOP」が2014年2月に公開して、話題を呼びました。
この動画はTOPSHOPの旗艦店で2014年秋冬コレクションのライブ配信を観賞するという内容です。ショーとバックステージの様子を360度VR動画で配信することで、ユーザーがまるで会場にいるかのような体験を可能にしています。また、3D音響や、映像内のインタラクティブな演出も楽しめる、ファッション業界らしいクリエイティブな作品です。

TOPSHOPでは2017年にも、ロンドン・オックスフォードストリートにある店舗内に「VRウォータースライダー」を設置して顧客にVR体験の機会を提供するなど、VRの活用に積極的です。

TOPSHOPだけでなく、ファッション業界全体でVRへの取り組みが広がっています。ファッションショーやバックステージの様子を360度VR動画で配信するとともに、クールな映像でブランドの世界観を伝えるツールとしても活用されています。
また、ECでの障壁となっているフィッティングという問題に関しても、VRを活用して仮想試着できるサービスを展開しているブランドもあります。

自動車:The Volvo XC90: A Swedish Moment


Volvo Cars

スウェーデンの自動車メーカー、ボルボが2017年3月に公開した動画です。
車の動画というと、走行シーンを収めたものが大半ですが、この動画では車は動きません。代わりに、全面リニューアルしたボルボXC90の室内空間と車窓から見える景色を360度VR動画で体感できる映像です。景色は日の出から日没、夜へと流れ、オーロラも登場します。走行動画ではなく、あえて室内空間を体感させることで、ボルボという商品の世界観を打ち出した形です。

自動車業界では、ショールームでの「VRドライブ」という形でVRの活用が進んでいます。VRドライブならショールームという限られたスペースの中でさまざまな車に“試乗”可能なため、在庫や場所代などの経費削減、新感覚体験の提供に伴う顧客サービスの向上などを実現できます。

デジタル・モバイル:Samsung VR Presents:「The Night Before」


Samsung Mobile USA

韓国・サムスン電子のグループ会社である「Samsung Mobile USA」が2016年12月に公開した動画で、「これぞ360度VR動画」という魅力たっぷりの内容です。
サンタクロースの魔法のソリに乗って、世界中を飛び回ります。途中、ワープのトラブルで宇宙空間に放り出されるという展開もあり、遊び心も満載です。ぜひHMDを装着して視聴することをおすすめします。

進化するVR、2025年には800億ドル産業へ

ビジネスでもさまざまな分野で活用が進むVR。2025年には800億ドル(約8兆8000億円)の市場規模に成長すると予測されており、今後もさらなる進化と広がりを見せるのは確実です。場所や時間といった制約から解放されることで、ユーザーにどんな新感覚の体験を提供できるかがVRマーケティングの鍵といえるでしょう。
企業のマーケターの方は競合に先駆けて、VRの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

Pocket