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世界第2位の経済大国・中国には、日本からも多くの企業が進出しています。
中国は2016年にインターネット利用者数が7億人を突破、それと連動してECサイトの成長が続いており、動画マーケティングの重要性が増しています。
しかし、中国は国外との接続を一部制限するなどネット環境が独特です。
では、中国で動画マーケティングの効果を上げるには、どんな点を意識すれば良いのでしょうか。
今回は中国の動画サイトの特徴やマーケティングを行う際のポイント、日本の企業や自治体が中国で行う動画マーケティングの事例をご紹介します。

【目次】
1. 中国の最新動画事情
2. 中国における動画マーケティングのポイント
3. 中国で人気の日本企業と自治体の動画
4. 動画マーケティングが成功すれば、桁違いの効果!

中国の最新動画事情

中国では海外サイトへのインターネット接続が制限されています。日本とは異なる環境で人気を得ている動画共有サイトについてお伝えします。

●中国の大陸地区ではYouTubeを見られない
中国では特別行政区である香港やマカオを除き、YouTube、Google、Facebook、LINEといった世界的なサービスが使えません。政府が「グレートファイヤーウォール」(金盾)という検閲システムを使い、アクセスを制限しているためです。
それにより、中国では国内発の動画共有サイトが多くのユーザーを集めています。
ただ、大手サイトではアメリカのドラマ、日本のアニメといった国外コンテンツの公式配信も盛んに行われています。

●大手3社が動画共有サイトのトップを争う
中国の動画共有サイト市場のトップ3は、自国のデジタル業界大手3社のグループ企業が占めています。
トップは巨大EC企業・アリババ傘下の「Youku Tudou(優酷土豆)」です。シェア2位がSNSやゲームを主戦場にする騰訊控股(テンセント)傘下の「Tencent Video(騰訊視頻)」、3位に検索サイト最大手・百度(バイドゥ)傘下の「iQiyi(愛奇藝)」と続きます。
4位以下にも多数のサイトがひしめいていて、中でも、ニコニコ動画の影響を受けたといわれる「ビリビリ動画」が有名です。

中国における動画マーケティングのポイント

中国でも動画によるマーケティングは盛んです。代表的なサービスや活用のポイントをご説明します。

●SNSは「WeChat(微信)」と「Weibo(微博)」が人気
中国では、WeChatと呼ばれる日本のLINEと似たメッセージアプリが人気です。文字チャットや無料通話を行え、タイムラインに相当する機能「モーメンツ」で写真や動画を配信できます。月間アクティブユーザー数は2016年12月の時点で8.89億人と発表されています。

一方Weiboは、TwitterとFacebookの中間と考えるとイメージしやすいサービスです。一度に投稿できるのは140文字までで、「いいね!」やブックマークなども使えます。動画をアルバム内にアップロードしてシェアすることも可能です。月間アクティブユーザー数は2016年12月の時点で3.13億人と発表されています。

※WeChatとWeiboは日本で使用することもできます
WeChat公式サイト https://www.wechat.com/ja/
Weibo公式サイト  http://jp.weibo.com/z/

●動画マーケティングには「Weibo」&「KOL」がおすすめ
Weiboは、ECサイト「タオバオ」へ直接リンクできる点がメリットです。タオバオはアリババが運営する中国で売り上げトップを誇る巨大ECサイトで、日本企業も多数出店しています。
動画を閲覧したユーザーを自社の商品販売サイトへダイレクトに誘導できるため、高いコンバージョン率が期待できます。

また、中国の動画マーケティングで覚えておきたいのが「KOL」です。KOLとはキー・オピニオン・リーダーの略で、日本のインフルエンサーのように影響力の高い個人を指します。中国は人口が13億人を超えるため、フォロワーが非常に多いKOLも存在します。
有名KOLの2017年8月26日時点でのWeiboフォロワー数を例に挙げると、コミカルな動画を配信する女性「papi酱」(パピチャン)が2447万人、メイク写真で人気がブレイクした男性「艾克里里」(アイクリリ)が911万人です。
KOLを起用する企業は多く、WeiboアカウントなどにPR動画をアップしてもらうことで、自社商品のマーケティングに活用しています。自社ブランドと世界観の合うKOLを起用し、ターゲットユーザーに的確に情報を届けている企業もあります。

中国で人気の日本企業と自治体の動画

日本の企業や自治体も中国で動画を公開しています。中国人の人気俳優を起用するなど、中国での配信に特化した内容です。

●ソニー:胡歌傾情代言索尼相機広告 専業相機我選索尼
【訳:胡歌(フゥ・ゴー)とソニーミラーレス一眼のニューストーリー】
https://v.qq.com/x/page/k0323lhfekt.html
胡歌傾情代言索尼相機広告 専業相機我選索尼
ソニーが2016年8月にアップした、ミラーレス一眼レフα7シリーズのプロモーション動画です。上海市の観光大使も務める人気イケメン俳優の胡歌(フゥ・ゴー)を起用し、公開から1年の間に250万回以上再生されました。
動画内で胡歌は、「デビューから10年、初心を忘れたことはありません。最初は監督になりたかったのですが、俳優になりました。撮影は私にとって鏡のようなものです。世界を映すことで、自分の心の中を見ます。私は胡歌、プロ用のカメラとして、ソニーを選びます」と語っています。

●日清:Lunar代言日清U.F.O.飛碟炒面 広告主題曲《Shake U.F.O. ever》
【訳:Lunarがイメージキャラクター、日清焼そばU.F.O.の広告タイアップ曲『Shake U.F.O. ever』】
https://goo.gl/n8GM7Y

日清食品が2016年9月にアップした日清焼きそばU.F.O.のプロモーション動画です。日本ではおなじみの日清焼きそばU.F.O.は、中国でも「飛碟炒面」(空飛ぶ炒め麺)という商品名で、大都市のスーパーやコンビニで販売されています。
動画では上海のアイドルグループLunarが登場しU.F.O.を紹介します。Lunarのメンバーとエキストラの男性が恋人という設定で、次のようなやり取りを繰り広げます。

男性「もしもし」
女性「晩御飯一緒に食べない?」
男性「会社でやることがあって忙しいよ」「何をやっているかって?U.F.O.を作ってる」
女性「会いたいな~」「やっぱり一緒にふりふりしようよー」

登場するU.F.O.は湯切りのあとにカップの中にソースを入れて振る工程があります。そのため、動画の中でも「ふりふりしようよー」というセリフがポイントになっています。

●くまモン:日本酷MA萌(熊本熊)Kumamon官方微博
【訳:熊本県PRマスコットキャラクターくまモンのオフィシャルウェイボーアカウント】
http://www.weibo.com/p/1005055605297685/photos?type=video#place

2011年3月に開設された、熊本県のキャラクターくまモンのWeiboアカウント内の動画です。くまモンが各地のイベントで活躍する姿などを公開しています。
くまモンは、中国でも「酷MA萌」と呼ばれ、非常に人気があります。2017年1月には、オフィシャルカフェ「KUMA cafe」が、上海にオープンしました。

動画マーケティングが成功すれば、桁違いの効果!

中国の動画共有サイトとその利用者は世界でも有数の規模です。そのためマーケティング用に用意した動画がターゲット層に刺されば高い効果を得られます。その半面、うまく制作できないと、膨大な数の中に埋もれて効果がほとんど出ない可能性もあります。
中国国内やインバウンドの動画マーケティングで成功するためには、ターゲットの属性を分析した上で、ターゲットが日常的に利用する媒体を選定し、刺さる内容の動画を展開する必要があります。
KOLを起用する場合は、訴求したい商材のターゲット層がKOLのフォロワーに数多く含まれているか、商材との親和性が高いかについてチェックしましょう。

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