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マーケティング用の動画を制作するNPOが増えています。NPOは非営利組織ですが、マーケティングを行わないと寄付金も集まりにくいし、組織の活動内容もなかなか広がりません。むしろNPOだからこそ積極的な動画マーケティングを展開して、世界中の人々の理解と協力を仰ぐことが必須といえます。
では、NPOがマーケティング動画を制作する際、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。
今回はNPOの認知度向上に効果的なマーケティング動画についてご紹介します。

【目次】
1. NPOの運営になぜマーケティング動画が効果的なのか
2. NPOがマーケティング動画を制作するときのポイント
3. NPOの主な動画
4. 動画の力でNPOの活動を世界中に広めよう

NPOの運営になぜマーケティング動画が効果的なのか

NPOがマーケティング動画を制作すると聞くと違和感がある人もいるでしょう。NPOにとって、どんなメリットがあるのでしょうか。

●NPOとは
NPOは「Nonprofit Organization」、もしくは「Not-for-Profit Organization」の略で、「非営利組織」、または「民間非営利組織」と訳されます。政府や自治体などの管理下ではありませんが、特定の社会貢献活動を行い、活動の利益を構成員に分配しないで活動の費用に充てるように規定された組織です。
NPOでも法人格を取得している組織が「NPO法人(特定非営利活動法人)」です。

活動内容は、福祉、教育、文化、まちづくり、環境、国際協力など多様な分野にわたり、子供の虐待防止、高齢者の食事の支援、地域の環境保全などいろいろな活動を行っています。
主に政府や自治体では手が届かなかったり、扱いにくかったりする社会貢献活動や社会問題を解決するために活動していると考えるとわかりやすいでしょう。

●NPOがマーケティング動画を制作するメリット
NPOは営利目的の団体ではありませんが、活動していくには費用がかかります。そのため何らかの手段で収益を上げて活動に利用したり、活動内容に賛同する人から寄付を募って活動費用に充てています。できるだけ多くの人に活動内容を知ってもらい、寄付を募るのもNPOの重要な活動です。

その点、拡散性が高く、見る人の感情に訴えかけるようなマーケティング動画を制作して広く世の中にアピールすれば、それまで興味のなかった層にまでリーチし、多くの人に活動内容を知ってもらえるでしょう。
Webサイトから手軽に寄付できる仕組みを作ることで、これまでより多くの寄付金を集めることもできます。

NPOがマーケティング動画を制作するときのポイント

NPOがマーケティング動画を制作する際には、大きく3つのポイントがあります。具体的にご説明します。

●組織概要、活動内容、理念、目的を伝える
できれば実際に活動している人の生の声を伝えましょう。組織概要や理念などはNPOの代表や幹部らでも大丈夫ですが、現場スタッフが語る生々しい活動内容のほうが見ている人の心にダイレクトに届きます。

また、動画の目的をはっきりさせることも重要です。寄付金を募るのが目的か、活動内容をアピールしたいのか、ボランティアを募集しているのかなどを明確にして、視聴者を次の行動へと促しましょう。

●リアルなストーリーを伝える
NPOのマーケティング動画では、現実に何が起きているのか、どんな困っている人がいるのかなどをリアルなストーリーとして伝えることが大事です。実際のストーリーを基にして、同じことが動画を見ている視聴者にも起こり得るのだとアピールしたり、自分の知らない世界で起きている衝撃的な実態を映像とともに伝えられれば、大きな反響を得られるでしょう。

●視聴者の感情に訴える
視聴者の感情を揺さぶる内容であることが大切です。視聴者も心を動かされないと体も動かしません。つまり、寄付やボランティアなどの行動になかなかつながらないということです。
具体的には、涙を誘ったり、感動させたり、危機意識を持たせる内容に仕上げましょう。

ただし、制作する動画はクリエイティブであることが重要です。リアルストーリーが大事といっても、動画自体のクオリティが低くては視聴者の共感を呼びません。
クリエイティブでリアルな動画はSNSなどでシェアされやすく、多くの人の視聴と行動喚起を期待できます。

NPOの主な動画

実際にNPOが制作したマーケティング動画で話題になったものを3本ご紹介します。動画制作の際の参考にしてください。

●消えゆくユキヒョウを守ってください!(WWF Japan)

「WWF (世界自然保護基金)Japan」が制作した「消えゆくネコ科動物を守ろう!」シリーズの動画です。ここで取り上げるのは、幻のネコ科動物ユキヒョウ。密漁や気候変動の影響で絶滅の危機にあるユキヒョウがアジアの高山に棲息する様子を動画で見せながら、地球温暖化防止を訴え、保護活動への支援を求めています。

●Still The Most Shocking Second A Day(Save The Children)

「Save the Children」が、紛争を逃れて欧州や中東で避難生活を送る子供たちの窮状を訴え、寄付を募ることを目的にした動画です。
実はこれは「Most Shocking Second a Day」という動画の続編で、前作は2014年の公開以来、5800万回以上の視聴回数を記録しました。

主人公は11歳のイギリス人少女リリー。突然起きた紛争によって母国を離れ、家族とも離れ離れになりながら、安全な場所を求めて孤独で危険な旅をする様子が描かれます。家族も住む家も、教育を受ける機会も奪われた子供たちの現実を世界中の人々に知ってほしいとの思いから作られました。

●Matt Damon Goes On Strike!(Water.org)

「すべての人に安全な水と水洗トイレを」と訴える「Water.org」の動画です。動画のタイトル通り、ハリウッドスターで「Water.org」の共同創設者であるマット・デイモンを前面に押し出したもので、途上国の水問題・トイレ問題が解決するまでトイレに行かないと宣言する記者会見テイストの動画です。
マット・デイモンは、世界で約25億人もの人々が清潔なトイレを使用できていない現状を訴え、水問題解決に努める同NPOへの理解と寄付を求めます。

動画の力でNPOの活動を世界中に広めよう

動画は、NPOの活動をテキストや静止画像で作られたパンフレットよりも、はるかに効果的に伝えることができます。インパクトのある1本の動画はたくさんの人の心を動かし、より多くの人から協力を引き出すことを可能にするでしょう。
大きな予算のないNPOでも、アイデア次第でクリエイティブでインパクトのある動画を制作できます。「自分たちの活動をもっと多くの人に知ってもらいたい」とお考えのNPOスタッフの方は、動画の制作を検討してみてはいかがでしょうか。

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