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日進月歩で変化する動画広告の世界では、夏休みで少しだけ息抜きしている間でも新しい情報が毎日のように流れてきます。9月に入り、日常の業務も本格的に始動したところだと思います。今回は8月の動画広告関連ニュースをまとめましたので、キャッチアップできていない情報があれば、今のうちのチェックしておきましょう。8月は動画媒体の新しい取り組みに関するニュースが多くありました。

YouTube「スキップ不可の動画広告」を全パートナーに開放へ

スキップ不可の動画広告とは、コンテンツの再生前(プレロール)、再生途中(ミッドロール)、再生終了後(ポストロール)のいずれかに表示される動画広告です。これまでも一部パートナー(動画配信者)はスキップ不可の動画広告を選択できましたが、これが全パートナーに開放されました。

スキップ不可の動画広告であれば、クリエイターに広告料が確実に入ることになり、クリエイターの収入に貢献するとYouTubeは説明しています。これにより、優れたパートナーを多く集めてYouTubeの媒体価値を強化し、より質の高いに広告メディアにしていくことで、広告収入の拡大を目指していると考えられます。
参考記事:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1808/26/news017.html

FacebookのWatch開始

Facebookは、昨年8月に米国で開始された動画配信サービス「Facebook Watch」(以下、「Watch」)を日本を含む全世界で提供開始したと発表しました。Watchが利用できるようになると、モバイルアプリでは[≡]に「Watch」ボタンが追加されます。

筆者のAndroidのFacebookアプリでは、8月中旬からWatchボタンが表示されていました。その時点でニュースメディアやFacebookのプレスリリースをチェックしましたが、まだどこにも該当する情報はありませんでした。ある程度の割合でアプリが更新されてることを確認した後、日本では8月30日に発表されたのだと想定しています。

日本を除く多くの地域では「Ad Break」広告を出せるようになり、クリエイターやページ管理者にとって新たな収益機会が増えることになります。こちらもクリエイターをサポートすることで良い動画媒体としての価値を上げることを優先し、広告収益の増加を狙っているようです。
参考記事:https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/08/facebook-watch-global/

CCI、国内放送局へSpotXの動画広告配信プラットフォームを提供 TBSやフジテレビなどが採用

SpotX社の動画広告配信プラットフォームは、メディアによる広告掲載の事前審査が行えるなど透明性の高さが特徴で、動画広告の高度な配信コントロールや分析レポートといった機能を実装。これにより放送局や動画配信事業社の広告収益最大化を図ることができます。こちらも動画広告のメディアの価値を上げることを目的としています。
参考記事:https://markezine.jp/article/detail/29067

Amazon 、検索ページにおける「動画広告」のテストを開始

Amazonは新しい動画広告「ビデオ・イン・サーチ(Video in Search)」のテストを開始しているようです。「動画は90秒以下で、音が含まれていることが必須であるようです。広告は検索結果の下半分以降に表示され、ユーザーを商品ページへと移動させるか、直接Amazonストアのカスタムページへと移動させるものとなっている」(引用:DIGIDAY)

購買欲の高いユーザーが集まるショッピングサイト。その中でもトップを走るAmazonの検索広告は正にコンバージョン率の高いユーザーへのアプローチが可能です。これは、Amazonにとって、自社ECのプラットフォームが広告媒体として価値を高めることになり、Amazon社の新たな収益源となりえます。

これまでもECのプラットフォームは他を圧倒する価格戦略で集客をしています。それは、AWSなど事業で収益を上げてきたAmazonだからこそ出来ること。広告事業は新たな収益を得る可能性を秘めているのではないでしょうか。
参考記事:https://digiday.jp/platforms/amazon-testing-video-ads-mobile-search-results/

博報堂DYメディアパートナーズ、テレビ接触情報を基に動画広告を出し分け

博報堂DYメディアパートナーズは2018年8月7日、スマートテレビのホーム画面向けに、テレビCMや番組の接触情報をベースとした動画広告のターゲティング配信を行うサービス「Atma(アトマ) Home AD」を開発したと発表。Atma Home ADは、スマートテレビの実視聴ログに基づくテレビの接触状況に応じた動画広告素材の出し分けを行う。(引用:日経)

ターゲティングされた広告を配信することで、広告とメディアの親和性を高めることができます。これによりメディアがユーザーの興味関心を妨げることなく、サービスを提供出来る可能性を高め、広告主にとってもターゲットユーザーにリーチ出来る媒体が選択出来るようになるでしょう。
参考記事:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33947840Y8A800C1000000/

まとめ

8月の動画広告の主なニュースを見ているとメディアの媒体価値を高める内容のものが目に付きました。近年動画広告は話題が先行し、広告主の関心も高まってきています。その一方で良い意味でも悪い意味でも、FacebookやYouTubeの様な巨大メディアほどコンテンツのコントロールが弱く、広告主にとってはメディアの質の向上なしには自社ブランドの毀損を杞憂する声も上がっていました。この状態を改善すべく新たなメディア(Google、Facebook、Amazonなど)や既存の広告代理店も新たなサービスを発表したのが、2018年の夏だった様に思われます。

広告収入モデルで成功したGoogleやFacebookは、動画メディアにおいても良い媒体を作ることで大きな集客を獲得し、成功に繋げようとしているようです。その一方で、企業のマーケティング担当者は、市場動向を観察しながら常に自社のターゲットに合うメディアを探求する日々が続きそうです。

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