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女性の美を引き出す化粧品業界でも、ブランドイメージの訴求や商品の使い方を伝える方法として、動画は欠かせない存在となっています。ただ、化粧品業界は競争が激しく、競合との差別化がなかなか難しくなっている上、動画についてもオリジナリティを打ち出すためには、しっかりとした動画マーケティングの戦略が求められます。
では、化粧品業界における動画マーケティングはどんな点を意識して行う必要があるのでしょうか。この記事では、化粧品業界における動画マーケティングのポイントについてご紹介します。

【目次】
1. 化粧品業界が制作する動画の種類と特徴
2. 女性の購買意欲を刺激するインフルエンサーの活用
3. 化粧品業界の動画マーケティングの事例
4. 化粧品業界の動画は、美を求める女性の心に訴求する

化粧品業界が制作する動画の種類と特徴

化粧品業界が展開する動画には、一定の種類と特徴があります。まず、その基本を押さえることが化粧品業界の動画マーケティングのポイントです。

●ブランドイメージ

化粧品メーカーの企業理念やブランドコンセプトなどのイメージを映像化したものです。ブランドらしさをしっかりと伝えることが目的のため、商品の露出はあまりありません。日本のブランドの場合は、化粧品を購入するターゲット層の女性が憧れそうな女優やモデルを起用することで、「この化粧品を使ったら、自分も女優やモデルのような美しさに近づけるかもしれない」と思わせるテイストになっています。
一方、海外ブランドの場合は、女優やモデルを起用したクールでオシャレ、かつ高級感あふれる動画が数多く見られます。中にはまるで映画のワンシーンのような動画もたくさんあります。

●商品紹介

消費者に商品の優位性や魅力を伝える動画で、商品の特徴やメリットはもちろん、過去の自社商品や競合商品との違いについても、商品名を出さないソフトなトーンで解説することがあります。テレビCMでは時間が短くて伝えきれないことをWebサイトで詳しく説明する動画も、このカテゴリーに含まれます。化粧品に配合されている成分や、使用することによって得られる効果などをしっかりと伝えることで、商品に対する信頼度や購入意欲の向上が見込めます。

●ハウツー

自社ブランドの化粧品を使ったメイクの方法などを解説した動画です。商品の使い方のポイント、さらに美しく見せるためのコツなどを説明することで、消費者の購入意欲を高めることが期待できます。商品のリピート率を上げることを目的とした購入後のフォロー動画としても効果的です。

女性の購買意欲を刺激するインフルエンサーの活用

広告への依存度が高い化粧品業界で、「インフルエンサー」の活用が活発化しています。
インフルエンサーとは、消費者の消費行動に大きな影響を与える人のことで、インフルエンサーを起用したマーケティング手法のことを「インフルエンサー・マーケティング」と呼びます。著名人をはじめ、近年ではカリスマブロガーや有名YouTuberがインフルエンサーと呼ばれています。

化粧品に対する女性の購買意欲を刺激するには、商品を使用したときのイメージを視覚的にユーザーに伝えることが重要です。女性にとって憧れの存在である人気タレントやモデル、YouTuberらがおすすめするメイク動画を見て、商品購入を決断するユーザーは相当数いると見られます。そのため、インフルエンサーの「この商品は良い・悪い」というひと言が化粧品業界に与えるインパクトはかなり大きいと考えられています。

化粧品のレビューやメイク動画で世界的に有名なインフルエンサーとしては、世界インフルエンサーランキングの美容部門で1位に選ばれたイギリス人女性のゾーイ・サグや、YouTubeに890万人以上のチャンネル登録者数を持つミシェル・ファン、日本のYouTuberではチャンネル登録者数が81万人を超える関根りさらが挙げられます。

化粧品業界の動画マーケティングの事例

大手化粧品メーカーの動画事例をご紹介します。ハウツー、ブランディング、インフルエンサーという3つのポイントに注目です。

●CHANEL「2017 FALL-WINTER COLLECTION.」

CHANEL(シャネル)のメイクアイテムを使ってメイクの仕方を解説するハウツー動画です。外国人モデルを動画に登場させる場合、日本人である自分が使う姿を投影しにくいというデメリットがありますが、シンガポール生まれのフィオナ・フッシというアジア人モデルを起用しており、さらにYouTubeで日本語の字幕を表示させられる動画なので、CHANELらしい高級感を保ちながらも親近感を持って動画を視聴できます。

●Christian Dior「MISS DIOR – The new Eau de Parfum」

ハリウッド女優のナタリー・ポートマンを起用し、商品のイメージ訴求に重点を置いたブランディング動画です。「Miss Dior」は「大胆さ」「再生」「自由」をテーマとした香水で、動画も商品のテーマに沿って1本の映画を見ているような作りになっています。最後まで視聴しなければ何のCMかわからないほど商品の露出を控え、ブランドの世界観を大切にしています。動画の最後にロゴが大きく映し出されることで、商品とストーリーが結びつき、Miss Diorのテーマがイメージとして印象づけられる仕上がりです。

●資生堂「レディコラボレーションブック 水原希子篇」

資生堂のメイクブランド「マキアージュ」の動画です。水原希子はインフルエンサーとしても有名で、480万人を超えるInstagramのフォロワー数の多さからも影響力がわかります。ファッションショーをイメージさせる動画に水原のインタビューを合わせ、商品のコンセプトである「Ladies just want to have fun!」(レディは、ただ楽しみたいだけ!)を表現しています。ただ美しく見せるためのメイクではなく、女性が輝くことを目的としたマキアージュのブランドコンセプト「レディにしあがれ。」を提案する動画と言えるでしょう。

化粧品業界の動画は、美を求める女性の心に訴求する

化粧品は主な購買層が女性なので、動画も女性の心をしっかりとキャッチすることが大前提です。化粧品メーカーの動画事例を見るとわかるように、ハウツー、商品紹介、ブランディング、インフルエンサーなどのポイントを押さえた緻密な戦略を基に、美を求める女性の心を刺激する高級感あふれる動画になっています。
化粧品業界はもちろん、女性向け商品を扱うメーカーのマーケターの方は、業界を問わず、動画マーケティングを検討してみてはいかがでしょうか。

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